
ミクスチャーロックバンド「LÄ-PPISCH(レピッシュ)」のボーカル・MAGUMI(マグミ)によるおすすめCD紹介連載の第42回。MAGUMIがDJの際に持ち歩く「音楽玉手箱」(CDボックス)から、おすすめCDをピックアップして紹介する。
おすすめCD:エイミー・ワインハウス「Back to Black」(2006年/Island)
ビーハイヴ・ヘア&キャッツアイ(アイライン)50年代の雰囲気をプンプンさせて、まるで酒焼けのようなハスキーで艶のある声、入れ墨を従えて、新人らしからぬスリリングさで、世間を圧倒しました。
このアルバムからのシングル「REHAB」は、彼女自身がアルコール依存症で、当時のマネージャーが更生施設へ行くよう勧めたところ、それを断ってマネージャーを首にし、その実体験でこの曲を作りました。
何かネガティブな事が起ると、それが曲になるらしく、自分への癒しになっていたみたいです。インタビューをすっぽかす事も度々で、コンサートの当日キャンセルなどもあったらしいのですが、彼女のキャラクターとリンクして、次々と伝説に変わっていきました。
私生活でも、まるで生き急ぐように色々なことがあったみたいで、このアルバムでも全体を通して、ベテランのような落ち着きと渋さと安定感が続いています。
サウンド的には、60年代のガール・グループのいなせさとsoul musicがミックスしている感じでしょうか。グラミー賞で5部門を獲得し商業的にも大成功を収めました。日本版では、スペシャルズの「Monkey Man」などのカバーを含め、6曲のボーナストラックが入っているので、お徳です。
残念ながら、2011年7月23日に自宅で亡くなっているのを発見されました。彼女も27歳で亡くなったことで、ブライアン・ジョーンズ、ジミー・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、カート・コバーンなどが入る伝説の“27クラブ”の仲間入りを果たすこととなりました。
まだたくさんの素晴らしいアルバムを残せただろうと考えると、悔やまれてなりません。ご冥福をお祈りします。
■MAGUMI AND THE BREATHLESS OFFICIAL
■LÄ-PPISCH(レピッシュ)
1987年にシングル「パヤパヤ」でメジャーデビュー。同曲は、トヨタのCMに起用されヒットするなど、80年代のバンドブームをけん引したバンド。現メンバーは、MAGUMI (ボーカル・トランペット)、杉本恭一 (ギター・ボーカル)、tatsu (ベース)。MAGUMIは、レピッシュの活動に加え、自身のバンド「MAGUMI & THE BREATHLESS」でも活動を続けている。また、DJとしても都内のライブハウスやクラブで精力的に活動中。


