
ミクスチャーロックバンド「LÄ-PPISCH(レピッシュ)」のボーカル・MAGUMI(マグミ)によるおすすめCD紹介連載の第40回。MAGUMIがDJの際に持ち歩く「音楽玉手箱」(CDボックス)から、おすすめCDをピックアップして紹介する。
おすすめCD:スイング・アウト・シスター「It’s Better to Travel」(1987年/Mercury)
美しいメロディーながら爽やかな感じではなく、もっと醒めたクールな感じです。ジャンル的には、acid jazzに分類されているみたいですが、イギリスのお洒落系のグループは、大体このジャンルで片付けられるので、何となく疑問は感じますけどね。
このアルバムは、スイング・アウト・シスターの1stで、日本も含めて世界的にヒットしました。1988年のグラミー賞最優秀新人賞とグループやデュオによる最優秀ポップ・ヴォーカル賞にノミネートされました。
日本でも、CMとかに採用されたと思います。2曲目の「Twilight World」の始まりのSEで、なぜか東京駅のシーンが使われたりもしています。ボーカルのコリーン・ドリュリーは、“オプティミスティック・アルトフルート”と称されている声で、普通だったらもっと明るい響きになっている楽曲を、この当時、新人ながらいい意味でトーンの低い渋い世界観を作っていると思います。
エヴリシング・バット・ザ・ガールのトレイシー・ソーンとかも似たような声のトーンの持ち主だと思います。こういうタイプのボーカルは、個人的には、大好きですね。ファッションでも、コリーン・ドリュリーは、アート系の学校を出てたり、デザイナー兼モデルの仕事をしたりしていたので、ステージのアートワークやヘアスタイルや服装も個性的だったと思います。また、パートナーのアンディー・コーネルは、クラシックピアノの腕前も凄かったらしいです。
多分、初来日のNHKホールを見に行ったのですが、最初はみんな行儀良く座って、曲が終わると、温かい拍手が起るという日本でよく見かける展開だったのですが、その流れに迂闊に寝てしまい、目が覚めるとアンコールで、私以外は総立ちでノリノリの状態になっていて、ものすごく恥かしかったのを覚えています。スイング・アウト・シスター様どうもすみませんでした(笑)。
■MAGUMI AND THE BREATHLESS OFFICIAL
■LÄ-PPISCH(レピッシュ)
1987年にシングル「パヤパヤ」でメジャーデビュー。同曲は、トヨタのCMに起用されヒットするなど、80年代のバンドブームをけん引したバンド。現メンバーは、MAGUMI (ボーカル・トランペット)、杉本恭一 (ギター・ボーカル)、tatsu (ベース)。MAGUMIは、レピッシュの活動に加え、自身のバンド「MAGUMI & THE BREATHLESS」でも活動を続けている。また、DJとしても都内のライブハウスやクラブで精力的に活動中。


